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NBA16-17シーズン

NBAコラム

Vol.254 ポール・ピアースに流れる緑色の血。

血と汗と涙。スポーツの世界には使い古されたようで、決して色褪せない表現が多く存在する。
2008NBAファイナル、ボストン・セルティックスの優勝を目前にして解説のマーク・ジャクソンは『緑色を身につけた人に取っては歓喜の瞬間だ』と表現した。使い古しではあるが僕にとって“魂を揺さぶられた”瞬間でもあった。17個目の優勝バナーが掲げられる事が決まり、当時ボストン一筋、生え抜きの10年目ポール・ピアースがファイナルMVPのトロフィーを天高く掲げた。歓声はアリーナの天井を吹き飛ばす勢いだった。



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伝統や格式は時に人々を縛るものでもありながら、TDガーデンの天井を見上げたセルティックスの面々がホームで毎試合感じる“勇気”はいかほどかと想像する。今、オールスター前にしてMr.4Q、アイザイヤ・トーマスが爆発するたびにプレーオフさながらの雰囲気に包まれる会場の雰囲気は間違いなく伝統が息づく証拠だ。

ポール・ピアース、キャリア最後となるボストンでのゲームが現地2/5に行われた。アメリカではNFLスーパーボールが行われたこの日、ピアースはニューイングランド・ペイトリオッツのギアに身を包み『1999年2月5日(ロックアウトによってシーズンが48試合に短縮された)、ここで初めての試合をやった。2017年2月5日、ここで最後の試合をやる』と感慨にふけりながら会場入り。セルティックスでのキャリア15年を過ごした39歳はジョン・ハブルチェックとラリー・バードというセルティックスのレジェンドに挟まれ、球団史上2位の総得点24021得点を緑のジャージを着て挙げている。きっと自分自身も運命的なものを感じていたに違いない。
ピアースのキャリアを振り返る動画はこちらをどうぞ



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選手紹介の大歓声では現チームメイト達も嬉々たる表情を見せ、共にボストンで優勝したドック・リバーズHCも先発にピアースを起用する粋な計らい。勝負が決まったあとの4Q最終局面でもキッチリとコートに戻す。現地のコメンテーターによれば、TDガーデンで無得点に終わった事のないピアースは残された僅かな時間で3ptを見事に成功させた。

試合後『全ての瞬間を楽しんでいる。ファンのみなさんが本当に素晴らしく、この球団の為に自分が達成した事に心から感謝してくれる。愛を感じるし、最後にここに来られた事を嬉しく思う』と振り返るピアース。先発出場に関しては『試合前日に告げられたよ。最近はあまりプレー出来ていなかった。多くの記憶が残るこのコートに立てる機会をありがとうと伝えたよ。そして最後にもコートに立たせてくれて得点も決められた』と笑顔を見せる。ビデオハイライトでのトリビュート、観客からの『ピアースを出せ!』との掛け声、何が一番印象に残ったかと聞かれたピアースは『全てに感謝の想いしかない。世界でも最高のファンの前で15年プレーする事が出来て、それを改めて今日見せてくれた』と語る。アイザイヤ・トーマスとも、セルティックスのメンバーとしての“兄弟愛”について前日に話をしており、NBA史においてもベストな球団のひとつである事を確認し合ったとのこと。



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試合前コート上にプリントされたセルティックスのロゴにキスする時にも同じような想いが駆け巡ったに違いない。

しかし、そんなピアースはロサンゼルス生まれ。セルティックスとはNBAの歴史の中でも幾度もの激闘を繰り広げてきた、因縁のライバル関係であるレイカーズの本拠地である。そしてピアースは当然のごとくバリバリのレイカーズ少年だった。『マジック・ジョンソン、カリーム・アブドゥル・ジャバー、ジェームズ・ウォージーの大ファンでセルティックスの事は耐えられなかったし、バードは嫌いだった』と取材で明かしている。1998年のドラフト10位でボストンに指名された時は『(ドラフト前の)ワークアウトも彼らのものには参加しなかったのに何で?』となかなか受け入れられなかったと言う。キャリアを振り返って『実に皮肉とも言えるよね。2008年にレイカーズと対戦して優勝。全ては起こるべくして起こったのかな』。



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ロサンゼルス育ち、キャリアもロサンゼルス(クリッパーズ)で終えようとしている。それでもボストンのGMダニー・エインジは『今や彼の血の色は紫ではなく、緑だ』と語る。血と汗と涙。人種や宗教に関係なくその色は人類共通だ。ピアースが現役19年に幕を下ろす時は4月だろうか、5月、6月?その時は何色のスポーツウェアを身につけていようと彼のキャリアを祝して歓喜に包まれる事は間違いない。



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『永久欠番に見おろされながらプレーした。本当に沢山のレジェンド達だよ。球団を背負ってプレーするという事は、見上げればビル・ラッセル、ボブ・クージー、ジョン・ハブリチェックの名前があるだけでプレッシャーさ。しかも彼らが観客席でも観ていて、人々が球団にかける期待にあった活躍をしようとしているわけだからね。フランチャイズ・プレーヤーとしてあのユニフォームに袖を通す事は凄いプレッシャーだった。でも、しっかりと優勝をもたらしたこと、そして人々が僕のバスケットに対して注いだ魂と情熱を愛してくれた事に喜びを感じるよ』。

ピアースの背番号が天井高く掲げられた時、それを見上げる選手にも同様のプレッシャーが降り掛かるのかと思うと、武運を祈る事しか出来ない。しかし、この日も世界のどこかで若武者がピアースの引退を観ながら、そこから勇気をもらい自らを奮い立たせていたはずだ。レジェンドは次の世代に受け継がれる。



佐々木クリス

佐々木クリス
1980年生まれ。
出身:NY
青山学院大学卒。大学時代にインカレ優勝経歴を持ち、2012年よりbjリーグ千葉ジェッツ、翌年は同リーグ東京サンレーヴスに所属。現役時代よりWOWOW NBA ONLINEナビゲーターとして、WOWOWのNBA放送では同時通訳、NBAファイナル現地レポートなどを担当。13-14シーズンよりNBAアナリストとして解説を務める。


オンエア情報

2017年2月放送予定

2/10(金)午前10:00
キャバリアーズ vs サンダー
2/11(土・祝)午前9:45
ウォリアーズ vs グリズリーズ
2/14(火)午前11:00
クリッパーズ vs ジャズ
2/15(水)午前10:00
ラプターズ vs ブルズ
2/17(金)午前10:00
セルティックス vs ブルズ
2/19(日)よる10:00

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